Binanceは、世界最大級の仮想通貨取引所との評判を得ています。
しかし日本においては、金融庁の認可を受けていない未登録業者であることから、日本居住者に対してのサービス提供は認められておらず、その利用を金融庁は推奨していないことから、日本の国としての評判は良くありません。
一方で、日本でもBinanceを利用している方はたくさんいます。その理由は、日本においても利用するメリットがあるからです。
そこで、Binanceの評判をもとに、日本で利用するメリット、デメリットはどのようなものがあるのかを紹介していきます。
まずは基本的な情報を紹介します。
Binance(バイナンス)とは
Binanceは、2017年7月に中国の香港で設立された仮想通貨取引所。
中国よりサービスを提供していましたが、中国政府による仮想通貨の規制が始まった影響を受け、2018年3月にマルタへ移転し、現在に至ります。
マルタは、国を挙げてブロックチェーン技術に注力しており、仮想通貨関連の法律の施行も世界に先駆けて進めています。
こうした取り組みから、マルタは「ブロックチェーン島」と呼ばれ、多くの仮想通貨取引所を誘致しています。
Binanceは仮想通貨取引所としては後発でありながらも、現在の取引高は世界1位となり、その実力が高く評価されています。
これが世界最大級の仮想通貨取引所と評判される所以です。
このように、世界から支持を受けていると評判のBinanceですが、日本ユーザーからの評判についてはどうでしょうか。
まずは良い評判から見ていきましょう。
日本ユーザーから見たBinance(バイナンス)の良い評判
Binanceの評判を見たところ良い評判が多く、世界最大級の仮想通貨取引所と評価されるだけあり、日本ユーザーからも支持されています。
良い評判の中でも、取扱い通貨数の多さと、独自トークンの特典、セキュリティの高さが主な魅力だと感じられているようです。
独自トークンは、他の取引所との差別化につながっており、取引所を検討する際には重要なチェック項目。
また、登録が簡単ですぐにできることも、ユーザー数が増えている要因であると感じました。
仮想通貨に関してわからないこと、知りたいことを学べるBinanceアカデミーというサービスが無料で閲覧でき、こちらも評判が良いです。
ここから、実際の評判を見ていきましょう。
売買できる通貨が300種類以上
Binanceの取扱い通貨数は、2021年6月現在で300種類以上となっており、国内取引所と比べて圧倒的に多いと評判です。
国内取引所の通貨の取扱い数が、十数種類にとどまっていることから、この多さには驚きです。
海外取引所に不安がありつつも、国内取引所では扱っていない銘柄ほしさに売買する方もいるように、Binanceの大きな魅力となっています。
独自トークンを取り扱っている
Binanceが発行している独自トークンBNBは、評判が良いです。
手数料が割引される、配当がもらえるなど、さまざまな特典があることから、人気となっています。
Binanceには、仮想通貨運用サービスBNB Vaultがあり、BNBを預けておくと、運用を自動で行ってくれます。
取引に自信がない方や、時間をとれない方にはありがたいサービスですね。
BNBを所持していることで、通貨がもらえることがあるようです。
もらった通貨に関しては、取得金額がゼロなので、リスクをとらずに値上がりを期待できます。
手数料が安い
取引手数料が安いことから、デイトレのように取引回数が多い方からは特に恩恵が大きいと評価されています。
アプリが軽快で使いやすい
アプリの使用感も評判が良く、使いやすいとのことです。
動作が重いアプリもある中で、さくさく動くアプリは良い評判を得ています。
ハードフォークへの対応が良い
ハードフォークへの対応がしっかりしており、アナウンスも行っていることから支持されています。
安全性が高い
仮想通貨取引所のISO取得は世界初であり、セキュリティに関して良い評判を得ています。
登録が簡単、早い
登録も簡単で、すぐにできるとの評判。
登録は面倒に感じがちな作業なので、簡単に済ませられるのはうれしいですね。
仮想通貨を学べるアカデミー
仮想通貨を取引している中で、わからないことや疑問が浮かんだら、Binanceアカデミーを覗いてみましょう。
Binanceアカデミーでは、技術的なことから通貨の最新情報までを、わかりやすく解説しており、評判が良いです。
125倍ものレバレッジがかけられる
Binanceではレバレッジをきかせたトレードが可能で、なんと125倍ものレバレッジがかけられます。
国内取引所では2倍までと制限されていることから、レバレッジをかけた取引をしたい方からは支持されています。
追証がないゼロカットシステムを採用していることから、ハイレバレッジでも安心感があるようです。
流動性が高くて売買が盛ん
流動性が高いことから、早く売買ができると評価されています。
マイニングキャンペーンをBinanceにて開催することもあり、報酬が期待できます。
ここまでは、評判が良かったものを紹介してきました。
次に評判が悪かったものを紹介します。
Binance(バイナンス)の悪い評判
Binanceの悪い評判は、未登録業者であることへの不安に関するものが多かったです。
法定通貨を扱っていないことも挙がっています。
では、実際の評判を見ていきましょう。
Binance(バイナンス)に対する規制
仮想通貨に対する規制により、Binanceにも影響が出ています。
日本では金融庁より2度目の警告を出され、イギリスでも出入金に対して制約が出されました。
日本での動向が心配されています。
しかしながら、日本でBinanceを完全に規制することは難しいという意見もあります。
Binanceの前向きな取り組みを評価する声もあり、この姿勢は良い評判となっています。
日本でのサービス提供についても、安心材料が望まれるところです。
送金コストによるコストパフォーマンスの悪化
Binanceでは、円などの法定通貨を直接入金することができません。
そこで、法定通貨を仮想通貨に交換し、Binanceへ送金する必要があります。
Binanceからの出金も同様です。
つまり、トータルのコストを考える必要があるということで、この点については評判が悪くなっています。
取引所や交換する通貨によるコストの変動には注意が必要です。
Binance(バイナンス)のメリット
では、良い評判、悪い評判を見てきたところで、評判にもとづいてメリット、デメリットを詳しく見ていきましょう。
まずはメリットを紹介します。
取扱い通貨が300種類以上ある
取扱い通貨が多く、2021年6月現在で300種類以上を取り扱っています。
取扱い通貨が多いと、通貨の交換先が増え、売買の選択肢が増えます。
上場する通貨は、ユーザーの投票により決定しています。
独自トークン「BNB」を取り扱っている
独自トークンであるBNBを発行しています。
BNBを利用することにより、さまざまなメリットがあります。
たとえば、取引手数料の割引、アルトコイン上場投票の権利です。
BNBを取引手数料の支払いに使用すると、手数料の割引が受けられます。
また、アルトコインを上場させるかどうかを決める投票への参加券としての機能があります。
この他にも配当がもらえるなど、インセンティブを付与することにより、BNBは人気化しており、値上がりを続けています。
Binanceが定期的にBNBを買い戻していることからも、価値が高まるとの期待が持たれています。
取引手数料がお得になる
取引手数料は一律で0.1%で、海外取引所の中では標準的といえるでしょう。
ここで、BNBを利用すると、取引手数料がお得になります。
BNBを取引手数料の支払いに設定すると、手数料の割引が1年目は半額になります。
その後、割引率は年々下がり、5年目からは割引がなくなります。
また、30日間の取引量およびBNBの保有量によっても、手数料が安くなります。
さらに、BNBの通貨ペアでの取引については、取引手数料が無料です。
スマホアプリが軽快で使いやすい
サイトやスマホアプリは、使い勝手のよい設計になっています。
機能や配置が一目瞭然で、わかりやすいデザインです。
動きも軽快で、快適な使用が可能です。
ハードフォークにも丁寧に対応
ハードフォークに対しての対応が良いです。
Binanceがハードフォークを支持するかしないかの判断は、顧客に配慮して行われます。
もし、ハードフォークへの対応に不安があるならば、Binanceへ預けておくことにより、対処してもらえます。
対応も素早く、ハードフォークに関しては親切かつ丁寧な印象が持てます。
セキュリティに定評がある
ログイン、出金の際には、メールアドレスまたは電話番号と、送られてくるコードによる二段階認証を設定できます。
認証に5回失敗すると、アカウントがロックされ、2時間は解除できなくなります。
出金は、本人確認を行っていない場合、1日2BTCまでに制限されます。
ホットウォレットに保管する仮想通貨量に制限をかけ、残りはコールドウォレットに保管しています。
マルチシグにも対応しており、流出のリスクを抑えた管理を行っています。
仮想通貨取引所としては、世界で初めてISOセキュリティ認証を取得しており、セキュリティ対策に力を入れていることがわかります。
以前、Binanceはハッカーの攻撃を受け、ビットコインを流出させてしまいました。
その額は7000BTC、当時の日本円にして、およそ44億円でありました。
Binanceの対応は、顧客の資産を全額補償するというものでした。
その資金は、Binanceがサイバー攻撃に備えて設立した基金からのものだったようです。
日頃から有事に備え、万が一のことがあっても顧客の資産を守るという姿勢が、Binanceの評価を上げることになりました。
さらに、その後に顧客1万人の本人確認画像データが流出し、身代金を要求された事件がありました。
Binanceからの流出ではなく、提携先によるものである可能性が高いとしていたものの、Binanceは被害者に対して、生涯VIPメンバーシップを提供しました。
この事件によっても、Binanceの顧客への対応の良さがうかがえます。
口座開設の容易さ
口座開設は、メールアドレスの登録と、パスワードの設定により簡単に行えます。
時間にすると、数分で完了することも可能です。
国内取引所では、本人確認が必須で、審査に数日から数週間かかることから、Binanceは口座を非常にお手軽に開設できます。
最先端の技術を持つBinance(バイナンス)がアカデミーで情報発信をしている
Binanceのサイトからアカデミーというサービスが利用できます。
アカデミーでは、仮想通貨の技術的な情報や、最新の情報などをわかりやすく伝えています。
Binanceは、ブロックチェーンの最先端を走るマルタを拠点としており、高い技術力を持っています。
そのエンジニアたちが、丁寧に発信する情報には高い価値があります。
Binanceアカデミーは、口座開設していなくても閲覧することができます。
先物取引の最大レバレッジは125倍で追証がない
先物取引の最大レバレッジは、125倍です。
国内取引所のレバレッジが2倍であることを考えるとハイリスクと思われがちですが、追証がないため、リスクが低減されています。
追証のないゼロカットシステムを採用していることから、最大損失額は証拠金の額となります。
よって、損失が生じた場合でも、借金を背負うことはありません。
リスクを抑えた上で、ハイレバレッジの取引ができるため、少額でも大きな利益を狙うことが可能です。
ただし、ハイレバレッジ取引を行うと、利益だけでなく、損失額も大きくなるため、すぐに証拠金の額に達してしまうこともあります。
資金量とのバランスを考えることが必要です。
流動性が高い
取引高が世界1位であり、高い流動性が期待できます。
流動性が低いと、いつまでも売買が成立せず、希望の金額で取引できないこともあります。
一方、流動性が高いと、いつまでも売買できない状況が少なくなり、取引できる機会が多くなります。
あまり注目されていないアルトコインや、上場して間もない通貨については、さまざまなキャンペーンを行っており、流動性を高める工夫をしています。
流動性を高めることに貢献した人へ、インセンティブが与えられる流動性マイニングキャンペーンを開催することもあり、積極的な取引による報酬も期待できます。
ここまでメリットを紹介してきました。
次はデメリットを見ていきましょう。
デメリットについては、しっかり確認することが大切です。
Binance(バイナンス)のデメリット
Binanceは海外取引所であることから、それに付随するデメリットを抱えています。
考えられるデメリットを紹介していきます。
日本の仮想通貨取引規制のリスク
日本国内においては、金融庁に登録した業者のみが、仮想通貨取引所として日本居住者に対してのサービス提供が許可されます。
Binanceは、未登録業者であることから、金融庁は警告を出し、Binanceサイトでの日本語対応を停止するように求めており、Binanceはこれに応じ、2020年1月には日本居住者に対するサービスを段階的に終了していくとの発表を行いました。
ところが、その翌日に、Zホールディングス株式会社(ヤフー株式会社から社名変更)およびその子会社であるTaoTao株式会社が、Binanceと日本市場における戦略的提携に向けて交渉を開始すると発表しました。
TaoTao株式会社は、金融庁から認可を受けた登録業者です。
さらに、Binanceサイトでの日本語対応を、2020年6月に再開しています。
これらのことから、Binanceが登録業者として認可を受けることや、日本向けの新業者として登録するなど、前向きな展開が期待されていました。
しかし、2020年10月にはTaoTao株式会社との交渉が決裂し、2021年6月に、金融庁より2度目の警告が出され、日本国内居住者に向けたサービス提供を停止するよう求められています。
このことから、Binanceの日本居住者に対するサービス提供は、まだ遠いことが読み取れます。
金融庁から2度目の警告が出されたことから、今後規制が強化される可能性もあります。
基本的に、日本居住者がBinanceのような未登録業者を利用することを、金融庁は認めていません。
とはいうものの、仮想通貨は匿名性が非常に高く、個人の取引を完全に把握することは困難です。
さまざまな手法を用いて、追跡する研究があるものの、同様に匿名性を高める研究もされているのが実情です。
現在のところ利用者への罰則はないことから、あくまでも自己責任というスタンスではあります。
日本ではBinanceで取引ができなくなるリスクもあることから、日々発表される情報へ目を通すなど、今後の動向には注意が必要です。
本人確認の情報は海外へ渡る
本人確認にパスポートなどの身分証明書が必要で、海外へ情報が渡ることになります。
1日2BTC以上の出金が必要であれば、本人確認が必須です。
法定通貨への対応はしていない
法定通貨の入出金には対応しておらず、仮想通貨のみを取扱っています。
Binanceへの法定通貨の入金は、他のサービスを用いて、法定通貨を仮想通貨へ交換することにより間接的に行います。
そのため、国内取引所などの他の取引所に登録する必要があります。
国内取引所でビットコインなどの仮想通貨を購入し、Binanceへ送金するという流れになります。
国内取引所は、本人確認に数日から数週間を要するので、早めに登録しておきましょう。
また、国内取引所において、仮想通貨を購入する場合にも、手数料が必要で、通貨によっても手数料が異なる場合があります。
Binanceからの出金は、逆の流れになります。
このように、法定通貨に対応していないことにより、入金から取引、出金に至るまでのトータルコストを考える必要があります。
Binance(バイナンス)の評判まとめ
Binanceの評判は、海外取引所でありながらも良いものが多く、日本居住者にとってもメリットのある取引所であることがわかりました。
セキュリティにも強く、使いやすい取引所であるとの印象を持ちました。
特に、独自トークンBNBの特典が優秀で、価値も上昇を続けています。
また、スマホアプリの動作も軽快で、ストレスなく使える点も高く評価できます。
一方、大きなデメリットとして、日本でのサービス提供の先行きが見えない状況が挙げられます。
Binanceは未登録業者であり、金融庁にサービス提供を認められていません。
このような不安定な情勢の中で、資産を預けることに不安を感じるという声がありました。
その他のデメリットは、Binanceの取引手数料に加えて、日本円を仮想通貨へ交換するための手数料がかかることです。
Binanceでは法定通貨を扱っていないため、他の取引所で仮想通貨に交換する必要があります。
このことから、日本円からBinanceでの取引までのトータルコストを考えなければなりません。
以上のことから、Binanceは日本ユーザーからの評判がよく、使い勝手の良い取引所ではあるものの、利用に際しては日本における規制の動向に注意を払う必要があるといえます。